コールセンターは一般の事務職と比べて時間給が高く、就職がしやすい人気のお仕事です。
しかし辞めていく人が多い(離職率が高い)ことでも知られています。
人の入れ替わりが激しいです。
そのためSV(スーパーバイザー)が頻繁に新人研修を行っているコールセンターもあります。
何か理由があるのかな?
辞める人が多い理由7選と離職の対策をコールセンター暦18年以上で現役の責任者(波乃上)が解説していきます。
コールセンターで辞める人が多い理由7選
1,クレーム対応がある
コールセンターには毎日たくさんの電話が入ってきます。残念ですが、かかってくる電話の一定数がクレームです。 お客様によって、大声で文句を言ったり、長時間イヤな内容を聞かされることもあります。
電話を受けるオペレーターさんの気持ちが折れて辞める人もいます。
2,目標(ノルマ)がきつい
コールセンターのお仕事は大きく2種類あります。
1,お客様の電話を受けるインバウンドコール・・・
かかってきた電話を受けて商品やサービスの説明や修理の受付をするお仕事です。
お客様から架かってくる電話だね・・・
⇒かかってきた電話を受ける本数(応答率)が厳しく管理されます。
コールセンターによって管理目標は違いますが、応答率90%以上のセンターが多いです。
繁忙期など電話が鳴りやまない時は、目標を達成するため電話を受けるオペレーターにプレッシャーが、かかります。
SVやリーダーから指摘されてストレスを感じる人も多いです。
2,お客様に電話をかけるアウトバウンドコール・・・
お客様に電話をかけて、商品やサービスの購入やアンケート調査などを行います。
お客様に電話を架けるお仕事だね・・・
⇒電話を架ける本数や契約をとる本数の目標(ノルマ)があります。
殆どの場合が、商品やサービスを説明する前に電話を切られる事が多く、オペレーターのストレスになります。
また、SVやリーダーから契約できた件数などを厳しく管理されるので、契約できた件数が少ないと精神的にキツイお仕事になります。
3,商品やサービス、電話対応のマナーなど覚えることが多い
コールセンターでお仕事をする前には自社で扱う商品やサービスの研修があります。 会社の商品やサービスによって覚える量も違ってきます。
対応後の履歴の入力方法や電話機の操作、全くの未経験者の方には、言葉使いなども研修期間内に覚えてもらいます。・・・覚える事や約束事が多くでしんどいです。
研修期間中に『自分には無理』『こんなに覚えられない』と言って辞めてしまう人もいます。
4,サポート体制の問題
難しい電話の内容やクレームの2次対応は、SVやリーダーが代わって対応しますが、コールセンターによっては、電話を簡単に代わってくれなかったり、電話を代わった後に愚痴を言うSVもいます。
新人のオペレーターに商品やサービスの研修をしても、何日かすると忘れることもあります。 実際に電話応対すると、自分だけでは回答に困ることもあります。
システムやマニュアルが分かりにくいこともあります。
すぐにSVやリーダーに聞ける環境でない場合、電話対応中にお客様を待たせて、怒られることも・・・
『スーパーバイザーやリーダーが電話を代わってくれない』『お客様に怒られてつらい』といった不満が溜まって辞める人もいました。
5,スキルが身に付くまで努力が必要
コールセンターのお仕事が未経験の人は、言葉使いや、電話対応用の発声練習や使ってはいけないNGワード等覚えることや身に付けるスキルがたくさんあります。
電話を受けてから終わるまでの流れを身に付けることが大切です。
活舌(かつぜつ)が悪くならないように口の開け方や声の出し方、声の大きさなど身に付けることが必要です。
言葉使いを間違えると、クレームになることもありますので、身に付けることが大切です。
電話対応が終わった後の対応履歴の書き方も大切です。
お客様から同じ案件で問い合わせがあった時に履歴がキチンと書けていないと、別のオペレーターが上手く対応できなくて迷惑になります。
電話機もに日常生活では使用しない機器(インカム)を使うので、操作を覚えて慣れることも必要になります。
覚えるまで努力が必要になります。
新人のオペレーターが思っている以上に身に付けるスキルが多くて、『自分にはできない』と諦めて辞める人もいます。
たくさんあるね・・・
6,オペレーターどうしの人間関係がキツイ
コールセンターで働く人の殆どが女性です。
普通にいくつかの派閥が自然にできます。
コールセンターのお仕事は電話対応なので、対応中は孤独との戦いになりますが、電話の対応中以外の人間関係は重要です。 (気をつかいます)
コールセンターが未経験の人は、人間関係が必要ないと思って入ってきても、実際は思ったより人間関係がたいへんで嫌になって辞める人もいます。
7,そもそもコールセンターに向いていない性格・特徴
コールセンターのお仕事は一般のお仕事と違って、向き、不向きがはっきり別れます。
イメージしていたよりスキルが必要だったり、気を使うこともあります。
性格が向いていれば、とても居心地がいい環境です。
離職率を下げる対策5選
1,個々のオペレーターにあったサポートを第一に行う
オペレーターによって悩むポイントが違います。
特に新人のうちは、意識してSVやリーダーは、近くにいるようにしたいですね。
悩んだり、困っている傾向が見えてきたら、個別に指導します。
細かな悩みや困りごとが溜まると⇒辞めようと考える人もいます。
2,テキストや資料を見やすく・使いやすくする
電話対応で使う資料が、分かりにくい場合があります。
資料をつくる人は、専門用語や業界用語を避けて、素人でもわかる表現を意識してください。 どうしても専門用語を使う場合は、注釈で説明を加える配慮が必要です。
また長い文章で、説明している場合も、オペレーターは電話をしながら読んで対応します。 短い文章で分かりやすく書いてください。 長い文章や分かりにくい言い回しで混乱することもあります。
またPCで資料をつくる場合は、2回程度のクリックで答えられるように簡単にしたいですね。
3,ノルマ(目標)を見直す
委託元や会社の経営者からインバウンド(かかってくる電話)、アウトバウンド(かける電話)とも目標を依頼されていると思いますが、無理な目標設定になっていないか、検討してください。
達成ができない目標なら、委託元や経営者に相談して達成できる目標に変更してもらうように調整が必要です。
4,クレームなど難しい対応はすぐにフォローする
クレームの電話対応は精神的にキツイです。
特に新人オペレーターは、クレームに慣れていなくてショックも大きいです。
私が新人の頃にクレームの電話で頭の中が真っ白になって『どうしよう💦』と焦った記憶があります。
SVやリーダーの人は、忙しくても難しいクレームは、できるだけ早く指示を出したり、代わってあげるようにしてください。
5,個別に面談してオペレーターの悩みを解決する
コールセンターでは、3ヶ月に1回程度で契約更新の面談があります。 オペレーターの評価や契約更新の有無などを話しあいます。
その面談とは別にオペレーターが困ったことがないか、要望がないか・・・を話し合うことが必要です。
大人しいオペレーターは、自分から話しを聞いてと言い出しにくいものです。
お互い気持ちよくお仕事をするためには、コミニュケーションがとても大切です。
私がいる職場の成功事例
- 1回/月のフリー面談で離職率が下がった
- キャンペーンを行ってモチベーションをアップさせた
- ナレッジを変更して分かり易くした
1回/月のフリー面談で離職率が下がった
責任者とオペレーターの間には、無意識の壁があります。
組織を運営するSVにとっては、威厳(いげん)を示すために意識して行っている人もいますが、上手くコールセンターの機能をまわすためには、何でも話せる雰囲気が大切です。
1回/月のフリー面談を行うことで、コールセンターの問題や不満の種を早いうちに解決できようになりました。
細かな対応ですが、効果は大きいです。
オペレーターの人も問題が減って働きやすさを感じたようで、離職率も下がりました。
キャンペーンを行ってモチベーションをアップさせた
新商品や新しいサービスが出た時にキャンペーンを行って、オペレーターの人に金券や商品をお渡しする企画を行いました。
キャンペーンを行うことで、日常の業務以外の刺激でモチベーションも上がりました。
コールセンターのお仕事が楽しくなり離職率も下がりました。
資料を変更して分かり易くした
コールセンターで使っていた資料を変更しました。
- 電話対応中でも簡単に読めるように文章を短くした
- 専門用語を減らした
- 今まで3回以上クリックしなあいと答えられなかった事を2回のクリックで回答できるようにシステムを変更した。
オペレーターさんが電話対応中に簡単に読めて、理解できるように工夫したのでスムーズに対応できるようになった。
対応時のストレスも大幅に減りました。
まとめ
コールセンターのお仕事は魅力的で人気のお仕事です。
しかし離職率も高く、なかなか人が定着しません。
特に新人オペレーターが辞めていく傾向が強いです。
この記事は、オペレーターがコールセンターを辞める原因と辞めないための対処方法を18年の経験を元に紹介しました。
詳細の記事を含めて読んでいただければ幸いです。
よろしくお願いします
ご意見やご質問があれば、お気軽にお問合せしてください。