コールセンターには、毎日多くのお客さまから、お問合せやご注文、ご意見などの電話が入ってきます。 1件ごとが真剣勝負で気を緩めることができません。
この記事は、コールセンターのオペレーターの方に日頃の応対の参考になればと思って書きました。 また、オペレーターを指導されるSV(スーパーバイザー)やLD(リーダー)の方にも読んで取り入れる部分があれば、活用してほしい内容です。
※この記事は、インバウンドコール(入ってくる電話)を対象に書きました。
この記事を読むことで得られること
- 電話対応の流れがわかる
- それぞれのpartの心構えや姿勢が分かる
- paratごとに注意する点やアドバイスが具体的に分かる
この記事を書いた人
私は、17年間(今も現役)コールセンターのお仕事をしています。
今は、SVから直接相談を受けたり、対応の指導をすることや、SVができない難解な対応やクレームの対応を代わってフォローする仕事をしています。詳しくはこちら
電話対応の流れ(インバウンドコール編)
会社や商品が替わっても基本的な電話対応の流れは殆どかわりません。
ここでは、大きな流れを説明します。
オープニング(挨拶・名乗り) ⇒ 促し(うながし) ⇒ 聴く・話す ⇒ 要点の復唱 ⇒ クロージング・お礼・終話の挨拶
Part(パート)ごとの姿勢・注意点とアドバイス
各partごとにポイント、姿勢、内容、注意点、アドバイスを紹介します。
あなたのコールセンターに置き換えて参考にしてください。
オープニング(ご挨拶)+名乗り
電話を架けてこられたお客様との最初の接点です。 電話を架けてきたお客様に、あなたの印象をもっとも与えるタイミングです。 良い印象をお客様が持たれると、このあとの対応の良し悪しに大きく影響を与えます。 もっとも大切な時間です。
姿勢
お客様に気持ちを込めて、ハッキリ・丁寧に聞き取れるように伝えましょう。
内容
●お電話いただきましてありがとうございます。 〇〇会社でございます。 私し担当の〇〇です。
●お待たせしました。 〇〇会社でございます。 私し担当の〇〇です。
注意点
言葉の語尾が伸びないように注意してください。・・・締りがなく砕けた印象を持たれることがあります。
アドバイス
もし・・・いきなり相手が話し始めると、言葉を遮らずにお聞きしてから、会社名と担当の名前をつたえましょう。
促し(うながし)
お客様の全てが、話すことに慣れている人ではありません。 コールセンターのオペレーターは、言葉を操るプロです。 お客様の殆どは、話しが通じるか不安を持って電話を架けてくる方も少なくありません。
姿勢
話しやすい雰囲気を作ってあげるように配慮して促すようにしてください。
内容
- 本日は、どのようなお問合せでしょうか?
- どうされましたか?
- お話しをお伺いします
アドバイス
お客様が、促しがなくても話し始めれば、促しがなくても問題ありません。
気にせずに、聞くことに集中してください。
聴く・話す
本題の大切な部分です。 電話で対応するオペレーターが最も集中する時間です。
姿勢
素直に聴くことに集中して、適度に相槌を入れることで、お客様が話しやすくなります。 応対もスムーズになります。
また お客様は話しのプロではないので、話しが長い場合や、話しの内容が、あちら、こちらに飛んで理解が難しい場合は、適度にマトメてあがるように誘導するようにしてください。
注意点・アドバイス
◆同じ相槌を続けて使わない
同じ相槌をお客様が聴くと馬鹿にされていると勘違いされることも少なくありません。
『はい』『さようでございますか』『ええ』などの相槌を組み合わせて使ってください。
同じ相槌を使う時は、声のトーンに変化をつけることも必要です。
◆声や口調について
会話のシーンに会った声や口調で対応するようにしてください。
小さい声、暗い声・・・基本NGです。 最低でも相手に届く声や口調を心掛けてください。
◆内容の先読みをする
お話しの内容を察することも大切です。 お客様にもよりますが、不要な遠慮で、こちらに言葉として上手く伝わらないこともあります。 慎重に察しながら会話を進めてください。
◆専門用語や業界用語は使わない
・一般のお客様が理解できる言葉を使うようにしてください。
専門用語や業界用語はお客様が理解できません。
◆話しが長い場合
話しが長い時は、内容を適度に整理(復唱)しながら応対するようにしてください
◆声が聞き取れない
声が聞き取れない(声が小さい、活舌が悪い)ときは、電話が遠いと言って再度お話しをお聞きしましょう。
声が小さいは、NGです。 電話機のせいにしましょう。
◆あいまいな表現はできるだけ避ける
あいまいな表現は、自信がない印象を与えます。 回答に自信がないときは、その場で、リーダーやSVに確認をとるか、後で架けなおすようにしてください。
◆否定表現の直球はNG
お客様の要望に応えることができない場合もあります。 その時は、クッション言葉を使ってから要望に応えられない事を伝えるようにしてください。 できません、ダメです・・・直球はNGです。
(クッション言葉の例)
・申し訳ございませんが・・・ 恐れ入りますが・・・ など
◆クセのない言葉を使う
あの~、ええ~、あっ、まぁ、まーす・・・などクセのある言葉を使わないように注意してください。
全体的に砕けた印象になります。
◆言葉を遮ったり、被せたりしない
お客様が話している間は、最後まで聴きましょう。 途中で遮ったり、被せたるすることがないように注意が必要です。
お客様が気分を悪くして、クレームになることもあります。
長い話しや、理解が悪いお客様も一定数いますが、頑張って最後まで聴きましょう。
◆馴れ馴れしい言葉は使わない
友達でなく、お仕事です。 馴れ馴れしい言葉は使わないように注意してください。
<例>
~ですかねぇ、・・・ですよ~、・・・ですよねぇ~、そうなんです は、NGです。
◆適切な敬語表現を使う
間違った敬語表現をしないように注意してください。
二重敬語(例)・・・おっしゃられた(誤) ⇒ おっしゃった(正) お使いになられている(誤)⇒ お使いになっている(正)
要点の復唱
全ての内容をお聞きしたら、全体を通して要点の復唱(確認)が必要です。
間違った解釈を避けるために必ず行ってください。
姿勢
お客様のペースで確実に行ってください。
聞き違いや、勘違を修正する最後のチャンスです。
クロージング・お礼・終話の挨拶
お電話をいただいたことに感謝の言葉を伝えて終わりにします。
姿勢
丁寧にゆっくりとハッキリとお伝えします。
内容
・〇〇様 本日は、お電話いただきましてありがとうございました。
私〇〇がお受けしました。
・ご不明な点がございましたら、ご遠慮なくお電話をください
・今後ともよろしくお願いいたします。
アドバイス
最後なので、気を抜かないように注意が必要です。
ここで、砕けると全ての印象がムダになります。
まとめ
この記事は、コールセンターのオペレーターの方に日頃の応対の参考になればと思って書きました。 また、オペレーターを指導されるSV(サーパーバイザー)やLD(リーダー)の方にも読んで取り入れる部分があれば、活用してほしい内容です。
※この記事は、インバウンド(入ってくる電話)を対象に書きました。
コールセンターによって、応対マニュアルがあると思います。 この内容は、日々の対応で私がSVやリーダーにお願いしている内容を元に紹介しました。 参考になる部分があれば、取り入れていただければ幸いです。